「フリーランスとして活動することを決めたから、これからどんどん案件をこなして頑張るぞ!」
そんな意気込みを持って、僕はフリーランスの世界に飛び込みました。
しかし、現実は理想通り物事は進まず、さまざまな失敗と挫折を経験しました。
フリーランス独立直後に感じた「壁」
独立したばかりの頃、僕はSNSやnoteで同業の発信を見るのが少し苦手でした。
「案件獲得3ヶ月連続!」「時間も場所も自由、理想の働き方を実現中です」
そんな投稿を見るたび、焦りとモヤモヤが押し寄せてきたんです。
らいち自分も制作会社で何年も経験を積んでいたので、フリーランスになっても、最初は「まあなんとかなるだろう」と思っていました。
でも現実は違っていました。
- 案件は知人を通じてポツポツ来るだけ
- 単価は下がり、スケジュールは空白ばかり
- なぜか営業もうまくいかず、気づけば自己否定のループに
「やっぱり自分には向いてなかったのかもしれない」
そんなふうに思った日も正直あります。
一方で、僕と同じように制作会社から独立した人の中には、”着実に仕事を得て、安定している人”もいるんですよね。
同じようなスキル、同じような経験、でも結果が違う。
この違いは何なのか?
この記事では、制作会社から独立したばかりの僕が直面した“壁”と、そこからどう乗り越えていったのかを振り返りながら、実体験を交えて紹介していきます。
フリーランスがぶつかる代表的な「壁」
独立してすぐにフリーランスとして生計を立てるのは難しい?
結論から言えば、“技術が少しあるだけ”では、思っていたほど仕事は来ませんでした。
制作会社で働いていた頃は、
自分は「制作」に専念できる環境でした。
でもフリーランスになると、そのすべてを自分でやらなければならない。
正直、最初はそのギャップに苦しみました。
その中でも、特に苦しんだ「壁」について3つ紹介します。
案件が取れない
実績・信用が無い
フリーランスとして仕事を始めると、まずこの壁にぶつかります。
未経験から、あるいは会社の看板が外れたフリーランスは、どこにでもいる普通の人からスタートになります。
上司や同期、友人であれば、仕事内容や実績を把握しているかもしれませんが、フリーランスは実績しか判断する指標がありません。
そのため、過去の案件対応が無いフリーランスには依頼はしませんし、そもそも候補にも上がりません。
初期の段階で、まず真っ先にぶつかるであろう「壁」になります。



僕もこの事実に気づいた時は、企業に属するありがたみが身に沁みました…
営業力が無い
過去に営業職を経験していなければ、この部分でも多くの人が苦労します。
会社員であれば、所属先の企業で仕事に困ることはありませんが、フリーランスは自分で案件を獲得しにいかなくてはなりません。
しかも、ただ営業するだけでは案件は獲得できず、自分の強みをアピールして差別化することや、相手のニーズを汲み取ることが求められます。
広い視野から物事を考える必要があるため、慣れるまでには多くの時間を費やします。
技術レベル
対応できる案件が少ない
プログラミングやデザインスキルが不足していると、受注できる案件の幅が狭まり、選べるのは低単価の案件ばかりになります。
高単価な案件ほど求められるレベルも高いため、スキルが伴っていなければそもそも応募すら難しいのが現実です。
運よく案件を獲得できたとしても、依頼者の要望に応えられなければ、信用を失ってしまう可能性もあります。
スキルの判断基準が分からない
そもそも、どの程度スキルを習得したら良いか判断が難しいことも挙げられます。
資格など明確な基準があれば良いのですが、Web制作であればデザインやサイト構成、配色センスなど多くの要素が絡み合ってきます。
スキルアップしようにも、
など躓きやすい点が多く存在します。
孤独と不安
フリーランスは基本的に一人で作業するため、孤独な時間が増えていきます。
最初は「一人でも大丈夫」と思っていても、疑問や悩みを相談できる相手がいない状況は、想像以上に辛くなってきます。
検索エンジンで情報を調べることもできますが、膨大な情報の中から正解を見つけるのは簡単ではありません。
また、会社と違い、進捗を管理してくれる上司やフォローしてくれる同僚もいません。
納期やタスクの進捗管理もすべて自分で行う必要があるため、気が緩みがちになったり、逆にプレッシャーを抱え込んでしまうなど、コントロールが難しい「壁」です。



僕も段々と一人の作業が辛くなり、突然友人に電話を掛けたり、作業が順調に進んでいても見直す回数を増やしたりなど、不安を紛らわす行動をよく取っていました。
「壁」を乗り越えるための解決法


ここからは、前の項で述べた壁についての乗り越え方を紹介していきます。
案件獲得につながる3つの実践法
最初の案件は“人とのつながり”から生まれる
フリーランスとして最初の一歩を踏み出すには、身近な人の悩みを解決したり、業務委託として仕事を請ける方法が最も現実的で効果的です。
フリーランスの実態を調査した「フリーランス白書2025(P.12)」でも、案件のスタートは知人経由が多いというデータがあります。
僕自身も、知り合いからの紹介をきっかけに案件を獲得し、そこから次につながるご縁を広げていきました。
身近な案件であれば、心理的ハードルが低く、経験や実績を積みやすい点も大きなメリットです。
参考資料
一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会
「フリーランス白書 2025」 2025年03月31日
【プレスリリース】「フリーランス白書2025」を発表〜フリーランスの実態・ホンネが明らかに〜 P.12
SNSはフリーランスにとって“営業ツール”になる
SNSを利用して、自身をブランディングしたり、フリーランスを探している企業や個人と直接やりとりをして案件を獲得する方法です。
手軽に始められるSNSには、実は探してみると多くの案件募集が存在します。
なので、セルフブランディングや広範囲のアプローチが効果的なSNSを利用することで、案件獲得につながりやすいです。
ただし、単純に使うだけでは案件の獲得は難しいため、計画や戦略を立てて活用することが重要になります。
参考ですが、工夫点としては以下になります。
・毎日1件は投稿する
・専門的なスキルを発信する
・文章は簡潔にする
興味を惹く“ポートフォリオ”を整えよう
自身の作品やスキルをアピールするための「作品集」であるポートフォリオを充実させることも、案件獲得には十分な手段になります。
クライアントに自分のデザイン能力やセンス、技術的なスキルを視覚的に示すことができるため、フリーランスを探している人と効率的にマッチングすることができます。
不安なまま案件に向き合わないために──技術不足の解消法
専門書や講座でスキルを積み上げる
資格の取得や新しい分野を学ぶことと同じように、専門書やオンライン講座を受講してスキルアップする方法です。
フリーランスとして生活、成長していくためには日々の学びが欠かせません。
事実、多くのフリーランスも勉強が欠かせないといった統計もあります。



2023年の調査ですが、フリーランスの約98%が学びが必要と答えています!
古典的な方法ですが、地道な積み重ねが成長への近道になります。
参考資料
一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会
「フリーランス白書 2024」 2024年03月
フリーランス協会 フリーランス白書2024 〜フリーランスの実態・ホンネが丸わかり〜 P.70
コミュニティで仲間とつながる
人と交流する機会が少ないフリーランスですが、人と会えて、尚且つ多くの情報交換が可能なのがコミュニティへの参加です。
SNSの普及によって、対面だけでなくオンライン上で参加できるコミュニティが数多く存在します。
フリーランス同士の情報共有や勉強会に参加することで、多くの体験談や学びを得ることができます。
また、人とのつながりを築くことができるため、交流の輪を広げたり、仕事を紹介してもらえることもあるため、活用することでフリーランスとしての可能性を広げてくれます。



僕も最初は参加することに及び腰でしたが、同じ悩みを共有できたり、Web制作の技術を学べたりと成長の糧になりました!
少し背伸びして案件に挑戦する
「ギリギリ達成できそう」なレベルの案件に挑戦することで、フリーランスとしての成長につなげる方法です。
今の自分にとって100%安心ではないけれど、調べながら努力すればなんとか形にできる──少し自分を追い込むことで、自然と学びの幅が広がり、実力を引き上げるチャンスになります。
小さな挑戦を繰り返すことで、確実に「できること」を増やしていけます。
案件に応募するとき、「今のスキルで対応できるか不安」と感じることが多くありました。
でも、“全部分からなくても、調べながらやればできる”範囲ならチャレンジしてもいいと思っています。
実際、あるLP制作案件で「アニメーションが少し複雑だな」と不安だったのですが、事前に似た動きを練習してから着手。
途中で詰まりそうになったときも、「今日中にできるところまでは対応します」とクライアントに状況を伝えながら進行しました。
結果、「柔軟に対応してくれて助かりました」と評価され、リピート案件につながりました。
重要なのは、“自分が今できること”を把握しつつ、“伸び代も示すこと”。
できる/できないだけじゃなく、取り組み姿勢や調べ方、進行の工夫が信頼につながります。
フリーランスに忍び寄る“孤独と不安”をどう乗り越えるか
毎週誰かと交流する
孤独の解消としておすすめするのは、週1回以上誰かと話す、交流する機会を設けることです。
話す内容や対面の有無などに拘らず、ただ人と会って話すことだけでも効果的です。
皆さんも、気分が落ち込んでいたけど少し会話することで悩みが消えた、そんな経験はありませんか?
孤独は、時に思考内容や視野を狭めてしまうので、定期的な交流を通して自分の考えを整理、リセットする時間を作ってみてください。
書いて思考を整える
最終的に孤独を乗り越えるためには、【自分で自分を理解してあげること】が大事になります。
その手段として、1日の終わりに自分の感情や達成できた実績について書くことをおすすめします。
人間は、危機回避のためにポジティブな出来事よりも、ネガティブな出来事を記憶しやすいといわれています。
そのため、順調な作業よりもミスや失敗が頭に残り、さまざまな不安が頭をよぎって自信を無くしてしまいます。
そうならない為にも、自分がその日できたことや感情を書いて整理することが大事になってきます。
「今日は失敗が多かったけど着実に進んでいる」、「今日はこんな感情に支配されていたんだな」、と可視化することで得られる発見が、不安を取り除くヒントになります。



他にも、自分のために言葉を紡ぐことで、ちょっとした気づきを得ることができるかもしれません。
「壁」の解消以外に必要なマインドについて
フリーランスがぶつかる「壁」の解消には、方法だけでなく心持ちも重要です。ここからは、僕が経験して実際に苦しい時期を乗り越えたマインドを紹介していきます。
孤独=悪、寂しいと決めつけない
前の項目でもお伝えした通り、フリーランスになると孤独になる時間がぐっと増えます。
最初の頃は平気でも、物事が上手く進まない時間が長いと、想像以上に辛いと感じてきます。
ですが、1人の時間が必ずしも悪いことばかりではありません。
自分を見つめ直す、好きなことを気にせず楽しめるなど、孤独だからこそできることもあることを頭に留めておいてください。



僕は、孤独の時間を「自分と仲良くする時間」と捉えて、いろんなことを楽しんでいます!
モチベーションを上げるではなく、下げない工夫を
「モチベーションを上げて頑張ろう」と考える人は多いですが、やる気は体調や気分によって大きく左右されるため、常に高め続けるのは現実的ではありません。
僕自身も以前は、やる気を引き出そうと試行錯誤していましたが、次第に「そもそもモチベーションに頼らない方が安定する」と気づきました。
そこで実践したのが、作業を仕組化することです。あらかじめ作業フローや作業を始める時間や行動を決めておくことで、やる気がない日でも淡々と進められるようになりました。
また、メンタル面でも「落ち込まないようにする」のではなく、ちゃんと落ち込める余白をつくることが大切です。スケジュールに余裕を持たせ、心身ともに無理をしない体制を整えましょう。



人間、頑張り続けることはできないのでしっかりメリハリをつけましょう!
始めから信用作りを大切に
フリーランスになりたての頃は、目先や将来の不安が頭から離れることはありません。
僕も単価の低い案件ばかりで、「この先、生活していけるのか」と不安を抱いたものです。
だからといって、目の前の案件を疎かにするのはよくありません。



かつて僕も、不安や焦りでとある案件を疎かにしてしまった結果、クライアントから「頼まなければよかった」と厳しい言葉をいただき、信用を失ってしまいました。
どんな案件も丁寧に進めることで、継続的に案件をいただけたり、予想もしていなかった依頼があるかもしれません。
不安で仕事を台無しにしないためにも、目の前の作業に集中して依頼者との信頼構築に努めてください。
終わりに


Web制作フリーランスで稼ぐには、第一にしっかり目標や計画を明確にすることです。
なんとなく「フリーランスで生活していくぞ!」と行動してしまうと、遅かれ早かれ壁にぶつかります。
自分が何を成し遂げたいかをまずはよく考え、フリーランスとしての目標を見失わないようにしましょう。
次に、目標が定まったら泥臭く仕事をして下さい。
SNSでよく見るノマドワーカーや、カフェで仕事をするキラキラした人たちはほんの一握りです。



もちろん、憧れるのも分かりますが
たとえSNSで華やかな姿を見せていても、裏ではいろいろな挫折や失敗、苦労をしているものです。
結局、地道にコツコツ続けることが「壁」を乗り越える力となり、フリーランスとして一人前になる近道です!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
この記事を見て、1人でも多くのフリーランスが「壁」を乗り越えるための手助けになったら嬉しいです!









