「toBクライアントワーク」という言葉を、一度は耳にしたことがあるけれど、その具体的な意味はあまり知らない。という方も多いのではないでしょうか。
一般的にtoBとは法人向けのビジネス(to Business)全般のことを指し、
クライアントワークとはクライアントとのやりとり全般のことを指します。
特にWeb制作の分野では、法人を相手にすることが多いため、クライアントワークができなければフリーランスとして成功するのは難しいと心得てください。
クライアントワークはすべての仕事に通ずる最も大切なスキルの一つです。
しかし、私が考えるクライアントワークは、さらに具体的なものです。
それは「究極の気づかいによる売上拡大」を意味します。「気づかい?売上拡大?どういうこと?」と疑問が浮かぶかもしれませんが、その疑問をこれから一緒に解決していきましょう。
この先は、疑問を解決したいという強い意志をお持ちの方だけお読みください。

本記事は約2万文字にわたりますので、圧倒的なボリューム・圧倒的満足感を提供できる自信があります。
僕がWeb制作会社とWeb制作フリーランスとして体験したことを出し惜しみなく書き上げています。
読み終えることができれば、toBクライアントワークに必要な全てを理解することができるでしょう。
本気でtoBクライアントワークを極めたい方にこそ、読み進めることをお勧めします。
toBクライアントワークとは何?その目的は?
toBクライアントワークとは、つまり、法人相手にきめ細やかな気配りを通じて売上拡大に貢献するということであり、「究極の気づかい」と「売上拡大」の2つの要素が両立して初めて成立します。
最初はそれぞれの概要を簡単に説明しながら、後半は具体的な解決法を詳しく解説していきます。
究極の気づかいとは


ズバリ、相手の特性に合わせた気づかいを極めることです。
先回りして物事を考える、相手に疑問を抱かせない、質問させないなど挙げたらキリがないですが、相手のことを思いやって行動すれば自然とできるようになります。
例えば、自分が文章を作成して相手に伝える時、違和感を覚えたり心配に思ったりなどありませんか?
それが気づかいのヒントです。
わりと普段の生活の中にあったりします。
ですが、仕事となると多くの人ができません。
それは、細かな気配りを、人は面倒に思うからです。
基本的に気を使うことは面倒臭いですよね?
正直に言ってしまえば、人間は堕落的で怠惰です。
しかし、それを続けて極めることができれば、自然とあなたのスキルや年収、粗利、事業の売上は飛躍的に向上します!
売上拡大とは


では、次に売上拡大とは何かを解説します。
気づかいも大切ですが、同じくらい売上拡大を考えるのも重要です。
セットでなければ成立しません。
売上拡大の構造を細分化すると顧客単価と顧客数です。
全ての動作において顧客単価の増加か顧客数の増加に繋がっているか意識しましょう。
例えば、クライアントとの打ち合わせ中にお互いの話が少し噛み合わないなと思ったら、すぐに可視化します。
パワーポイントでもエクセルでもいいです。
今どんな目標があって、どんな現場で、どんな課題があって、どんなことをしていくべきなのかを整理します。
こうすることでクライアントのコミュニケーションにおける不信感を取り除くことができ、満足度を高められます。
いわゆるできるやつ感を演出し、今後の提案も通りやすくなったり(顧客単価の増加)、紹介をもらったり(顧客数の増加)などといったきっかけになります。
逆に言えば、ここでそのくらいできないとその後の仕事は、一生この人仕事できなさそうだなと思われ、クレームに繋がりやすくなります。
このように、※動作単位で売上拡大に繋がっていることが重要です。
※動作単位とは実施する作業のことを指します。例えば、メールを作成する、見積書を作成するなどのイメージです。
toBクライアントワークの相手像


toBのクライアントは経営者や担当者・責任者レベルの方が多いです。
特に、あなたがWeb制作フリーランスを目指すなら、中小企業の経営者の方とコミュニケーションをとることが多いです。
もう少し解像度を上げていきましょう。
あなたは経営者にどんなイメージを持っていますか?
・仕事ができる
・コミュニケーション能力が高い
・プライドが高い
・自分の仕事が好き
など色々思い浮かべると思います。
しかし、そうではありません。
多くの中小企業の経営者は細かいことが苦手で怠け者です。
特に今までの濃い経験から培った経験や直感で物事を判断する傾向にあります。
そのため、チャットでのコミュニケーションになると数秒で書いた短文で返信されることが多いです。
なので、これから読み進める場合は、変に硬くかしこまらずに、怠けもののクライアント像を頭に思い浮かべて進んでください。
メリット
toBクライアントワークができると、「客単価が増える」・「紹介をもらえる」という2つのとても大きな恩恵があります。
それぞれ、解説します。
クライアントの質が高くなって客単価が増える


toBクライアントワークができると、契約していくクライアントの質がどんどん上がっていきます。
逆にできないとクライアントの質は低いままです。
どういうことかと言うと、いい人の周りにはいい人がたくさんいるのと同じで、ビジネスでも、クライアントワークの質が高いとクライアントの質も上がっていきます。
一方で、悪い人の周りには悪い人がたくさんいるのと同じで、ビジネスでもクライアントワークの質が低いとクライアントの質も低くなります。
また、タチが悪いのがクライアントの質が低いと、低い金額でより多くのことを要求することやパワハラ口調な対応をしてくるなどといったモンスタークライアントの層が増えてきます。
しかし、toBクライアントワークをしっかりとこなせば、そんなことは起こりません。
また、正しいクライアントワークを覚えることで、クレーマー体質なお客様とも良好な関係を築くことができます。
紹介をもらえるようになって営業する必要がなくなる


toBクライアントワークができると、顧客から信頼を獲得できるようになるので、自然と紹介がもらえるようになります。
最初の方は紹介をもらうことは少ないですが、愚直にコツコツ続けることができると、段々認知が拡大し、色々なクライアントに評判が広がっていきます。
この効果を実感できるのにはおおよそ2〜3年かかるので、途中で諦めて対応が雑になったり、ショートカットしたりしてしまい、効果が実感できないまま、一生営業をして終える人も多いです。
このtoBクライアントワークを極めることで自分から紹介案件を選択することさえもできます。
そうなれば、営業の時間がなくなり、顧客のために使える時間が増え、より大きな成果に繋いで行くことができます。
メリットの振り返り


このように、クライアントワークのメリットは、石に苔の生すように少しずつ進行し続けるもので、すぐに体感することができません。
だからこそ、焦らないで地道にコツコツとこなしていくことが重要であり、それが最も近道なのです。
コツコツと積み上げたものはやがて、客単価の増加と紹介案件の獲得という大きな果実となり自分に返ってきます。
そして、これらのメリットを受けることで、客単価が高くなり、新規顧客も増え、売上が増加していきます。
10年以上順調に生き残っているWeb制作フリーランスはこのパターンがとても多いです。



多くのweb制作者の中から選ばれる人になれないと、Web制作フリーランスとして生き残ることはできません。
toBクライアントワークの壁


大きなメリットがある一方で、その恩恵を受けるには難しさもあります。
クライアントワークでよくある壁が面倒くさがる気持ちを排除することです。
基本的にクライアントワークは気を遣って仕事をするため、疲れます。
それに工数や手間もかかるので、正直言って面倒臭いです。
また、よくあるのが、面倒臭いからといって、一度サボったことについて特に言及されなかった場合、「あ、これやらなくても許されるんだ」と勘違いしてしまい、途中でやめてしまうパターンです。
人間は堕落的なので、一度サボりを成功体験してしまうとそれを許しと捉えてしまいがちです。
この面倒臭がるといった気持ちをいかに早いうちに排除できるかが鍵になるのです。
人の持つ現状維持の意思は強力です。
そしてその小さな積み重ねが大成する人との違いです。
この壁を乗り越えることができなければ、一生底辺のフリーランスとして生きていくことになります。
そんな風になりたい人はいませんよね?
なので、この壁を乗り越えられるように、努力しましょう。
コツは感情を排除し淡々と粛々と脊髄反射で行うことです。
作業するたびに、面倒くさがっていたらいつか絶対サボる未来に行き着きます。
そのため、一切の感情を排除し脊髄反射でやりましょう!
具体的な方法はこの後解説します。
toBクライアントワークで必要なこと
今この記事を見ているあなたが一番気になるところかもしれませんね。
実際にクライアントワークで必要なことを解説していきます。
ここはできている、ここはできていないと意識しながら読み進めるとより解像度が上がるのでおすすめです。
21個と数が多いですが、習得難易度★〜★★★★★と身につけておくべき要素を順番に解説していきますので、頑張ってついてきてください。
返信は3時間以内に 難易度★


即レスは3時間以内が原則です。
具体的には、9:00-18:00の間で即レスが必須です。
クライアントもその時間帯で稼働しているので、その間に返信しないとコミュニケーションがワンテンポ遅くなってしまいます。
また、あまりにも遅いと顧客からクレームが発生してしまいす。
余談ですが、クレームの原因には3大要素と呼ばれるものがあります。
①コミュニケーションのレスポンスが遅い
②コミュニケーションでのすれ違い
③納期に遅れる
おおよそ、イメージはつくかと思うのですが、説明すると、
コミュニケーションのレスポンスが遅いと、クライアントから見て無視されている、対応が雑などと思われてしまい、クレームにつながります。
コミュニケーションのすれ違いが発生すると、質問したことを端的に答えてくれない、会話するのに疲れるなどと思われてしまい、クレームにつながります。
納期に遅れると、約束を破った、準備していないなどと思われてしまい、クレームにつながります。
この中でも、コミュニケーションのレスポンスが最もクレームになりやすく、最も簡単に対策をすることができます。
粗利の低いクライアントでも3時間以内に返信することを徹底して守ると少なくともレスの速さでクレームは全く発生しません。
しかし、クライアントが多いと返信するだけで1日が終わってしまうと思っている方に伝家の宝刀を伝授します。
返信に10分以上かかりそうな場合は、下記の伝家の宝刀を使いましょう。
「ご質問ありがとうございます。少々お待ちくださいませ。本日の18時までにご返信いたします。」
「ご質問ありがとうございます。回答について検討したいのでお待ちくださいませ。遅くとも今週の金曜日17時までにご回答いたします。」
「承知いたしました。本日18時までに対応させていただきます。」
上記のように、具体的な時間を明記しておくことがポイントです。
クライアントは、返信がないことについてクレームに感じることが多く、とりあえず返信すれば安心してくれます。
友人とのLINEのやりとりで質問した際に、「今忙しいから、夕方ごろ返信するね」と返信されるのと同じ感覚です。
いつ返信がくるのかがわかっていれば少しは安心できますよね。
それと同じことをクライアントにもすればいいのです。簡単ですね。
ミスをした時に原因と対策をセットで報告する 難易度★


ミスをした時は原因と対策をセットで報告しましょう。
まさかミスをした時に「申し訳ございませんでした」「すみません」だけで済ませてないですよね。
当てはまっている場合、あなたは重罪です。
いますぐやめましょう。
クライアントも鬼ではなく、人間は完璧ではないのでミスをしたことに対してそこまで不満に思わないです。
しかし、その後の対応はすごく見られます。
ミスした後にどう対策をして同じミスを繰り返さないようにするかを見ているのです。
ですので、ミスした時には原因と対策についてセットで報告しましょう。
現状と進捗を可視化して共有する 難易度★


現状と進捗を可視化して共有しましょう。
クライアントからすると今プロジェクトがどのくらい進んでいて、ゴールからどの地点にいるのか気になるポイントです。
しっかり可視化しておくことでクライアントに安心感を与えられるので効果的です。



僕の場合、Web制作案件はガントチャートを使ってやってます。
根拠はデータや数値を元に語る 難易度★


あなたは根拠を伝える時にどうしていますか?
まさか、経験や勘ではないですよね?
それができるのはせめて学生までです。
ではなぜデータや数値が必要なのか。
それは以下の2つの理由です。
1. 具体的にイメージさせるため
人は感覚的に理解しやすい情報に共感しやすい傾向があります。
例:「顧客満足度が高い」という抽象的な表現よりも、「顧客満足度調査で90%のお客様から高評価」という具体的な数値を示す方が、より信頼性が増しますよね。
データや数値は、抽象的な概念や主観的な意見に客観性を与え、説得力を高めます。
2. 誤解を防ぐため
データや数値を用いることで、感情論や主観に偏らず、論理的な思考に基づいた議論が可能になります。
データや数値は人種、性別、出身国を問わず全人類に共通して共有出来る情報です。
そのため、データは共通認識を揃えることができるので、解釈のズレや誤解を防ぎ、スムーズなコミュニケーションができるようになります。
例:「ウェブサイトのアクセス数が伸び悩んでいる」という漠然とした表現ではなく、「前月比で5%アクセス数が減少している」という具体的な数値を示すことで、問題の深刻度や改善の緊急性を共有できます。
導入に費用が掛かる場合でも、具体的な数字を基に投じた費用を回収して利益を作り出せると認識してもらうことができれば、契約率は飛躍的に向上します。
正直データや数値を用意することは面倒臭いです。
しかし、そこを徹底的にこだわることで、toBクライアントワーカーとしての市場価値を上げることができます。
また、Web制作フリーランスとしてこれができると、説得力が高まり、認識の齟齬もなくなるため、提案が通りやすくなったり、クライアントからの信頼が高まったりします。
難易度★を大体理解することができたなら、次は難易度★★に進みましょう。
理解できたかチェックしてみてください!
✔️返信は3時間以内に
✔️ミスをした時に原因と対策をセットで報告する
✔️現状と進捗を可視化して共有する
✔️根拠はデータや数値を元に語る
事実と解釈(主観)を切り離す 難易度★★


事実と解釈は切り離しましょう。
事実を捻じ曲げて話すことや解釈を広げすぎてしまうことは、割と多いと思います。
ですが、クライアントに対しては絶対にやってはいけません。
事実なら事実のみ伝える。
解釈なら解釈とクライアントがわかるように、「私の主観がまじるのですが〜」と予め伝えましょう。
ここができないと、コミュニケーションで苦労します。
なぜなら、結果の報告について、全て主観で話ているとクライアントとの温度感にギャップが生じるからです。
例えば、Web制作でLP制作の案件相場が20万円〜30万円です。自分がクライアントに提案した金額が10万円だったとしましょう。この金額をクライアントに安いと伝えてしまうことはNGなのです。安いか判断するのはクライアントです。相場と比べれば安いかもしれませんが、クライアントの余剰資金の状態によっては高いと感じるかもしれませんよね?
そうなると、クライアントとの温度感にギャップが生じるので気をつけましょう!
NOをはっきり言う 難易度★★
いい人ぶらないではっきりとNOを言えるようになりましょう。
NOを言えずに、作業を抱え込みすぎると損をするのは自分自身であり、共に仕事をする仲間にも迷惑をかける可能性があります。
また、間違った方向に進みそうになった時にも、それは間違っていると伝えることも重要です。
船に乗っている船員がクライアントで船長があなたです。
船長より知識もない経験もない船員に流されるようでは、あなたのいる意味がありません。
役割をしっかりと意識しましょう。
ただ、伝え方に気をつけることも必要です。
威圧的に一方的にNOと言ってしまうと相手に怖がられたり、前向きな発言がなくなったりします。
しっかりと根拠を伝えることも重要ですが、相手の感情に寄り添うことが必要です。
イエスバット法という話法を使うことで、相手の反論を受け入れ、共感できる点には同意した上で、明確な根拠を基にNOと伝えられるようになるので、相手の感情も説得しやすくなります。



この塩梅がわかってくれば、あなたは立派なtoBクライアントワーカーに近づけるでしょう。
認識の齟齬をなくす 難易度★★


認識の齟齬をなくすことは徹底的に行いましょう。
そして、分かっていなくてもとりあえず返事をするといったような野球部員的スタンスはやめましょう。
あとから大惨事につながる場合もあります。
具体的な炎上案件はこちら
フリーランスWeb制作者が知っておくべき炎上案件と対処方法



一歩間違えれば、大きな損失をクライアントに与えかねません。
打ち合わせ中に質問を受けて、相手が何を意図しているか理解できない場合は、正直に「理解できていません」「これってこういうことであっていますでしょうか?」などと言ってその場で確認した方がいいです。
僕は自信がない時、必ず、画面キャプチャかスプレッドシートorドキュメントを用意して、クライアントと共有しています。
対比構造を可視化したり、細かいところを確認したいときに使います。
タスクを投げる時は誰が見てもできるようにする 難易度★★


クライアントにタスクを投げる場合は、徹底的に丁寧に依頼しましょう。
ポイントは誰が見ても同じ通りにできるようにすることです。
クライアント企業の経営者がやるのか管理職がやるのか平社員がやるのかほとんどの場合、こちらは把握できていません。
そのため、誰がみても同じようにできる依頼の仕方が大切になります。
ポイントは見出しを作って誰が見てもわかりやすく認識の齟齬が起きないようにすることです。
こんな感じです。
【作業内容】
全ページのテキストに誤字脱字がないかチェックお願いします
【納期】
1/2まで
【推定作業時間】
15分
【参考情報】
確認方法のURLなど。
細かくタスクを投げることで、誰でもできるようにすることが重要です。
コミュニケーションを可視化する 難易度★★


コミュニケーションはなるべく可視化しましょう。
即興でできるようになるとなお良いです。
具体的には、打ち合わせやMTG時に何か話が合わないな、ズレてるなと言う時に有効です。
また最近は自動で文字起こししてくれる録音アプリなどもありますので、先方の許可を得て議事録を作成することもお勧めです。あとで不明瞭な点を読み返すこともできます。



スプレッドシートなどで図にできるといいですね。
事業理解を高める 難易度★★


事業理解を高めることは必須です。
事業理解が薄いことはクライアントと話していると気づかれます。
あまり調べてなく、クライアントにそんなことも知らないのかと思われるのは損です。
ですので、クライアントより、事業理解を高める勢いで実施するのが重要です。
特に3C分析をすると抜け漏れなくできます。
具体的には以下のように考えていきます。
1. 顧客(Customer):誰に何を売るか?
ターゲットとなる顧客は誰か?
年齢、性別、職業、居住地、興味関心など、具体的な顧客像を明確にする
(例:健康志向の20代女性、都心在住の忙しいビジネスマン)
顧客はどんな問題を抱えていて、どんな解決策を求めているのか?
潜在的なニーズも掘り下げる
(例:手軽に栄養を摂りたい、時間を有効活用したい)
どこで情報収集し、どのように商品を購入するのか?
(例:Instagramで情報収集、ECサイトで購入)
2. 競合(Competitor):どんな企業がライバルになるか?
同業他社だけでなく、代替商品・サービスを提供する企業も洗い出す
(例:競合カフェ、コンビニのコーヒー)
商品力、価格、ブランドイメージ、販売チャネルなど、多角的に分析する
(例:低価格が強み、商品の認知度が低いのが弱み)
今後、競合がどのような戦略で市場を攻めてくるのか予測する
(例:店舗数を拡大、新商品を投入)
3. 自社(Company):強みと弱みは?
技術力、ブランド力、人材、資金力など、多角的に分析する
(例:高品質な商品開発力、販売チャネルの弱さ)
どんな資源や能力を駆使すれば、顧客のニーズに応えられるのか?
(例:独自の技術、優秀な開発チーム)
競合にはない、どんな価値を提供できるのか?
顧客にとってのベネフィットを明確にする
(例:オーガニック素材にこだわった商品、きめ細やかなサービス)
こんな感じでスプレッドシートに整理すると一元管理でき、分かりやすいです。



そんなに難しく考える必要はなく、上写真のようにシンプルに分析していくのがキモです。
難易度★★を大体理解することができたなら、次は難易度★★★に進みましょう。
理解できたかチェックしてみてください!
✔️事実と解釈(主観)を切り離す
✔️NOをはっきり言う
✔️認識の齟齬をなくす
✔️タスクを投げる時は誰が見てもできるようにする
✔️コミュニケーションを可視化する
✔️事業理解を高める
QCDを徹底的に 難易度★★★


まず、QCDとは
Q=クオリティ=品質
C=コスト=費用
D=デリバリー=納期
のことです。
もう少し具体的に説明すると、
Qは品質を維持することと高めることに努めることです。
クレームをなくすことやPDCAを回して成果を出し続けることでできます。
当たり前ですね。
Cは費用を最適にすることです。
クライアントに施策を提案する時に一番手間がかからないで効果の出る施策を提案します。
また、クライアントからこんなことをやりたいと要望があっても、費用に対しての効果が薄い場合は断ります。
Dは納期を守ることや短くしたりすることです。
納期をすぎることは原則NGです。
短くすること、早めに納品することを目指しましょう。
どんなことをすれば最短でできるのか、納期のネックとなる部分はどこにあるのかを考えることが必要です。
これが意識してできるようになると、Web制作の成果もかなり安定してきます。
売り上げにつながるような集客のできる品質の良いもので、値段も高くなく、素早く納品してくれるWeb制作フリーランスはかなり好かれ、重宝されます。



クライアント目線から考えると、また発注したくなってしまいますよね。
相手の先回りをする 難易度★★★


相手の先回りをしておくのはかなり重要です。
定例の打ち合わせやMTGで成果報告をするシーンで必要になることが多いですね。
特に、結果が悪かった時の成果報告はどんなところが相手から見たら懸念になるのか徹底的に考えましょう。
アジェンダを事前に用意して共有しておいたり、打ち合わせ・MTG前に事前に疑問点や相談事項を確認しておくといいですね。
また、※ウルトラC や改善策をストックしておくとさらにいいです。(※誰もが無理だと思うような難題や挑戦を極めて巧妙な方法で成功させること)
打ち合わせで行き詰まった際に話すとかなり効果的です。
そんなことまで考えてくれていたんだとクライアントから高い評価をもらうことにも繋がります。
ちなみに僕は必ず、Googleドキュメントでアジェンダとスプレッドシートで※ウルトラCや改善策をストックしています。
まとめると、相手の先回りをすることで重要なのは、アジェンダの作成など事前準備を万全にすることです。
事前準備で勝負の8割は決まります。
目標・現状・課題・改善策を常に頭に 難易度★★★


常に目標と現状の差分である課題をどんな改善策を実施することで解決できるか差分を埋めることができるかを考えます。
ポイントは改善策を実施することで課題を解決できることです。
例えば、
目標が2ヶ月で65キロになる
現状が70キロ
だとしたら、
課題が5キロ痩せることとなります。
改善策は摂取カロリーと消費カロリーを逆算し、1週間で10キロ走る・1日に1500カロリーまでしか摂取しない等、
改善策を実施したら、課題を解決できるように繋がっている必要があります。
一方で、改善策は1日3000カロリー消費する・肉や炭水化物などカロリーの高い食べ物は控えるなどの場合、
改善策が抽象的で行動単位になってないため、改善策の出力内容が人によって変化し、課題を解決できません。
このように、改善策を実施すると課題を解決できるように考える必要があるのです。
これはすぐにはできないと思うので、訓練できるといいですね。
まとめると、明確なゴール設定と逆算志向が成功の秘訣になります。
戦略-戦術-施策-効果を考える 難易度★★★


戦略-戦術-施策-効果の因果関係がつながるように考えることが重要です。
特にこの視点で話せるとかなり経営者と同じ目線で話せクライアントから「そうそう!それだよ!」と納得されたり喜ばれたりします。
・戦略
山頂を目指すための道筋や地図みたいなものです。
長期的な視点で、目標を達成するために「どの山を登るか」「どのルートで登るか」という全体像を明確にします。
例:「3年後に業界シェアNo.1になる」
・戦術
地図を見ながら、実際に山を登るための具体的な方法のようなものです。
戦略に基づき、具体的な行動指針や資源配分などを決定します。
例:「新商品開発に注力する」「販売チャネルを拡大する」「ブランドイメージ向上のためのマーケティングを行う」
・施策
戦術を具体的に実行するための手段や行動計画のようなものです。
現場レベルで実行可能な、より具体的かつ詳細な内容です。
例:「革新的な機能を搭載した新商品を開発する」「オンライン販売サイトを開設する」「SNSを活用した広告キャンペーンを実施する」
・効果
施策を実施した結果、何がどれくらい変化したのかを示す指標です。
目標達成度を測るだけでなく、施策の改善にも役立ちます。
例:「新商品の売上目標達成」「ウェブサイトへのアクセス数増加」「ブランド認知度向上」
効果 を上げるための具体的な行動計画である 「施策」 を立案し、
施策 を実行するための具体的な方法である 「戦術」 を決定し、
戦略 を決定するための全体像を示す 「戦略」 を策定する順番です。
このように「戦略-戦術-施策-効果」の関係性を理解し、それぞれの段階を着実に踏むことで、目標達成の可能性を高めることができます。
またずるい手法ですが、相関関係を因果関係のように説明することでより訴求力が生まれる場合もあります。
どういうことかというと、たとえば「アイスクリームが売れると溺死者が増える」
これだけ聞けば意味が分からないですよね。
しかし、アイスが売れるということは気温が高くなっているということ。
そして気温が高ければ海水浴をする人は増えるでしょう。
これが相関関係で、一見関係のない要素同士でもこのように説明することで説得力を持たせることもできます。
マスコミがよく行う印象操作にもこのようなものがありますね(笑)
リードを握ること 難易度★★★


リードとはつまり、主導権を握っておくことです。
顧客と一緒に向かうべき方向に進むために、リードを握り誘導していくことで、ゴールへ連れていきます。
リードを握っていると改善提案をしてもあまり嫌な顔をされなくなりますし、断られないと言うことは信頼の裏返しでもあります。
逆に主導権を握っていないと、クライアントから言われたことだけを行うただの作業者になってしまいます。
作業者であることは顧客を正しい方向に導くことを放棄するのと一緒なのでやめましょう。
本当によくないです。
顧客が求めているのは成果です。それを追い求めましょう。
もう少し具体的にイメージしてみましょう。
例えば、Webサイトを発注された際に、ただ成果物を納品するだけではなく、その奥にあることを考えられなければただの作業者成り下がってしまいます。
その奥とは、顧客の売上拡大・認知拡大や採用強化などのことを指し、そこまで想定してWebサイトを設計しなければいけません。
例えば「HP制作の単価を安くしてよ」とよく言われるケースがありますが、HPとはそもそも認知拡大や機会損失を減らすために作成するものです。
したがって安くあげたけどSEO対策もされておらず検索してもなかなか出てこない。では意味がないのです。見られるためのHPですから、しっかりと目的を認識したうえで顧客に必要な提案をすることが大切です。
ゴールがどこなのか、そしてそこに連れていくにはどうしたらいいのかを明確にできるといいでしょう。
クライアント以上友達未満 難易度★★★


クライアント以上友達未満の関係性を目指しましょう。
もちろんクライアントにもよりますが、ずっと仕事の話をしていても相手は疲れます。
癒しを提供しましょう。
相手の趣味の話をすると効果的です。
経営者・管理職で多いのは野球やゴルフですね。
担当者責任者で多いのはサッカー・筋トレとかですかね。
企業ページやSNSを確認して趣味を探すといいかもしれませんね。
「最近SNSで休日にゴルフをしている投稿していましたね!よくゴルフはされるんですか?どんなきっかけでやることになったんですか?」など、共感と質問をすることがポイントです。
人はだれしも情で動く側面があります。お互いに親近感を感じながら仕事ができれば気分も良くなりますし、自分自身もよりクライアントのために!という意欲が湧いてくるというものです。最初は一時的にそのようなモチベーションに頼ることも一つの手法です。
感情を極力なくす 獲得難易度★★★


上記の項目が満たせるようになれば、次は感情を極力なくしていきます。
もちろん完全になくすわけではなく、どちらかというとクライアントの利益を第一に考え、感情の感度を鈍くしていきます。
toBクライアントワークでは安定感が求められます。
なぜかというと、成果を出し続けなければならないからです。
成果を出し続けるには継続する必要があります。
継続するにはモチベーションに頼ってはいけません。
そのため、淡々と粛々とこなす力が必要となります。
かと言って感情をなくすと全くのサイボーグになってしまうので、成果を出した結果お客さんが喜ぶ姿を見て、自分が喜ぶといったことであれば健全な状態と言えます。
難易度★★★を大体理解することができたなら、次は難易度★★★★に進みましょう。
理解できたかチェックしてみてください!
✔️QCDを徹底的に
✔️相手の先回りをする
✔️目標現状課題改善策を常に頭に
✔️戦略-戦術-施策-効果を考える
✔️リードを握ること獲得難易度
✔️クライアント以上友達未満
✔️感情を極力なくす
感性3割知性7割 難易度★★★★


これはコミュニケーションにおいてバランスの良い比重だと考えています。
知性とは事実やロジック
感性とは主観や感情
です。
なので、toBでは固い感じの方が好まれる傾向になりますが、100全振りに固い感じを演出してしまうと、お客様から少し相談しにくい人と認定されてしまいます。
そうなると、良好な関係性を築けないので、3割感情を出しておくといいですね。
踏み入れすぎず、かといって距離を置きすぎず、と難しいので、一朝一夕では身につきません。
そのため、そのクライアントのことを知っていくことが必要で重要になってきます。
これについては難易度が高いため、しっかりと時間をかけてやっていくといいですね。
ウルトラCを控えておく・改善策をストックしておく 難易度★★★★


ウルトラCとは、「誰もが無理だと思うような難題や挑戦を極めて巧妙な方法で成功させること」を指します。
普通の方法では考えられないような創意工夫や技術を駆使して、驚くべき結果を出すことを表現する言葉です。
そもそも、ウルトラCはふとした拍子に偶然降ってくることが多いです。
意図的に生み出すのはほぼ不可能なので、普段から意識することや情報を探しにいくことが重要です。
これをRAS発火というそうですが、人は意識したものに対してアンテナを広げ、無意識に情報収集しようとします。例えばジム通いを始めてから街中で無意識にマッチョが目入るようになる等がこれに該当します(笑)



僕の場合はお風呂に入っている時やYouTubeのおすすめに出てきたりする時が多いですね。
本題ですが、ウルトラCと改善策をストックしておく理由は、クライアントの期待を常に超えるためです。
それを実現するのにはいくつかポイントがあります。
1.あえて、クライアントに伝えるのを控える
全部伝えてしまったら、持ち札がなくなってしまいます。
常に持ち札を持ちつつ、立ち回ることで、クライアントから「何かいい案ないかな?」と言われた時にさっと出すことができます。
クライアントからすれば毎回刺さる案を提案してくれる手品師みたいなもので、信頼性をぐっと上げることができます。
逆にこれができないと、質問しても毎回「持ち帰ってみます」だけになってしまい、本当にこの人大丈夫かなとクライアントに不信感を持たれてしまいます。
2.順番とタイミング
伝える順番とタイミングは非常に重要です。
一気に多くのことを伝えてしまったり、必要としていない時に伝えてしまったりすると、クライアントを迷わせたり、あまり刺さらなかったりします。
なので、優先順位をつけて順々に伝え実施していくことと今クライアントがちょうど答えを欲していると感じた時に伝えることが必要です。
一朝一夕でできるものではなく、コツコツ積み上げていくことで感覚をつかむことができます。体感となりますが、最低1年以上の訓練が必要ですね。
以上のポイントを抑えることが重要になります。
期待値の調整をする 難易度★★★★


期待値の調整は難易度が高いですが、これができるとぐっとtoBクライアントワークの質が上がります。
体感上位20%以上の人ができている感覚です。
例えば、商談のシーンで期待値を高く調整する場合、「過去にこのような実績があるのでこのくらいの成果が見込めます」などの強みを訴求することがポイントです。
期待値を低く調整する場合、過去の実績がない際は「過去に実績がなくてあまり求める成果に対してお答えすることが難しいかもしれませんが、最大限成果を出せるように取り組みます」などの弱みと最大限の努力はすると伝えることがポイントです。
他にも挙げればキリがないのですが、期待値を調整できると顧客からのクレームや心理的負担が減って楽になります。
難易度★★★★を大体理解することができたなら、次は難易度★★★★★に進みましょう。
理解できたかチェックしてみてください!
✔️感性3割知性7割
✔️ウルトラCを控えておく・改善策をストックしておく
✔️期待値の調整をする
クライアントを教育する 難易度★★★★★


コンサル案件などの長期案件に限り重要です。
中長期的に効いてきます。
最初は意識を植え付けるところからです。
例えば、SEOコンサルだったら、SEO対策行うことによって、どのくらい売上につながるのかを伝えることで、重要性を意識させていきます。
次はタスクを渡して考えさせることです。
自分事として捉えてもらい作業を実際にしてもらうことで、調べたりするので、頭を使わせることができます。頭を使わせると記憶に残りやすいです。
最後に自分の経営戦略に組み込ませることです。
経営戦略にまで組み込ませることができたなら、かなりこちら側ができることが増えるため、できたら最高です。
タイミングとしては実際に効果がでて売上が半年連続で伸びたあたりのタイミングがいいです。半年も連続で伸びたなら、必要性や重要度がぐっとあがり、経営戦略まで組み込ませることができます。
そうすることで、クライアントを教育していくことができます。
ちなみに難易度は最も高いです。



ここまでお疲れ様でした。
クライアントワークで必要なことの1章だけでかなりのボリュームがありましたね。
一度休憩として、この表で振り返りしてみてください。
自分の体験談
自分の体験談を時系列でご紹介します。
Web制作会社時代


Web制作会社にいた時代では、会社が受注した案件をこなすことが多く、営業からの指示書をもとに、デザインの作成とコーディングをメインで働いてました。
そのため、あまりクライアントとコミュニケーションをとる機会がなく、クライアントワークのクの字もありませんでした。
しかし、指示書をもとにデザインの作成とコーディングをすることは経験を積んでいたので、ハードスキルの実力を付けられたと感じています。
就職してから2年が経ち、ハードスキルの実力も充分に付けられたので、いざWeb制作フリーランスになろうと思い、独立しました。このころの自分は案件の実績もありクライアントワークが出来る気になっていたんですね。
何となく成功


ここからはWeb制作フリーランスになってからの話です。
何か成功した気になっている。
そんな体験ありませんか?



これは赤信号のサインです。
最初の3案件は友人から受注しました。
新規法人立ち上げに伴う企業サイトの制作、カフェのサイトをリニューアル、広告運用にかけて販売する化粧品LPの制作、3つの案件に携わり、どれもヒヤリングからワイヤーフレームの作成、テキストの作成、デザインの作成、コーディングと一連の業務を行っていきました。
三日ほど納期に遅れてしまう案件もありましたが、友人には納得してもらった様子で無事納品することができました。
満足度も高く、あれ?始めたばかりにしては自分って割とできるじゃん!と少し自惚れていました。
これが次の失敗体験談を起こす引き金となったのです…
調子にのって失敗


赤信号に気づかず交差点に進入し、事故を起こしてしまいそうになります。
結論からいうと、次の案件で納期が2ヶ月遅れてしまい、失敗します。
最初の3案件がなんとなくうまく行った分、自信を持ってヒヤリングからまた始めていきました。次にワイヤーフレームの作成、テキストの作成と順々にうまく進みませんでした。
ヒヤリングを元にワイヤーフレームを作成して、クライアントに確認してもらうのですが、一向にOKをもらうことができませんでした。
ヒヤリングも悪くなかったのに、なぜだ…と考えました。
しかし、答えは分かるはずもありません。今までの案件はなんとなく成功してしまって、失敗を経験してないのですから。
ページ数6つのコーポレートサイトの制作案件で納期は1ヶ月だったのですが結局ワイヤーフレームで4週間経ってしまいました。納期まであと、3日…
絶対間に合わない….どうしよう…
不可能だと思い、とりあえずクライアントに余裕を持って納期を2週間後ろ倒ししてもらえないか相談しました。
OKをもらえたのでよかったです。
まあ、この後も1ヶ月ほど納期が遅れてしまうのですが…
失敗した原因を説明すると、大雑把なヒアリングをしたことです。
クライアントのタイプは少しイケイケ系なタイプの社長でした。
どんなコーポレートサイトを作りたいですか?など聞き、
「そうだねえ、こうなんかシュッとしてて高級感のあるいけてるサイトがいいねえ。」
などこんな感じの方でした。
まあ、僕も僕で3案件こなしるし、いけるだろうと思い、
「あ〜なるほどいいですね!」と進めてしまいます。
今となると、この頃の自分を叱りたくなります。
このヒヤリングが雑になると、その後の制作物に対してのイメージのすり合わせが極端にグダグダになります。
そのため、ヒヤリングでは参考サイトやその場でパッとイメージをすり合わせておくことが必須になります。
なので、ワイヤーフレームが完成しても、デザインの作成でなんか違うんだよなあとクライアントから指摘を受け、また4週間くらいデザインの作成にかかりました。
ここでもうひとつ問題が起きます。
それは、この4週間かかることに対して、
「あれ?そういえば、納期2週間後ろ倒しっていう話じゃなかったっけ?もう2週間すぎてるけど、どうするの?」と言われたのです。
僕はえ?あなたが「何度も何か違う。ここはもっとかっこよくしてほしい。」など確認しては、また修正としてきたから、納期が遅れてるのでしょう。
だから、納期が遅れることは認識していると思い込んでいました。
しかし、そうではありませんでした。
クライアントは制作のことについては全く知識がないため、何にどのくらいかかるか知らないのです。
なので、約束した納期についても「こいついつになったら納品してくれるんだ」という感じでした。
僕は謝罪と併せて、制作案件の一連の業務のフローを説明し何にどのくらいかかるので、後このくらいかかりますと説明しました。
何とか、事なきを得て、4週間猶予をもらったので、その後のコーディング以降は何とかスムーズに納品することができました。
この案件で、猛反省しました。
ヒヤリングでもっとこうしておけばよかったと。
また、しっかりお互いの認識を揃えておくことも重要で、自己完結しないように気をつけようと思いました。
ポジティブに捉えるなら今ではここで失敗を味わっておいて良かったなと心の底から思っています。
何となく成功することの怖さを身をもって体感しました。
ここでの教訓
・ヒヤリングを丁寧に行う
・何となくで進めず、認識をしっかり揃える
少し調子に乗って成功


この失敗体験を通して、自分の作業フローを見直し、納期に遅れることはなくなりましたし、月収が安定してきました。
また、クライアントの解像度も上がってきました。だいたい中小企業の社長は怠け者で細かいことが苦手だということもわかってきて、コミュニケーションにも苦労しなくなりました。
さらに、案件対応でミスすることもなく、満足度も高かったため、toBのクライアントワークにも慣れてきたと感じ自信がついてきました。自分から営業することもなくなり、基本的に紹介された案件を受け、良い制作物を納品するということをこなしていました。
かなり順調だ。そう思っていました。
本物と出会い失敗するが大成功の鍵を見つける


結論からいうと、本質を見抜かれ自尊心をコテンパンにされました。
クライアント像も分かり、納期に遅れることもない、品質だって高い。正直、Webフリーランスとしてかなり成功しているだろうと思っていました。
しかし、今回のクライアントは今までのクライアントとは次元が違っていました。
今までは従業員が20人〜50人の売上高10億円〜50億円ほどの企業でしたが、紹介案件が多くなってきてクライアントの質も上がってき、付き合う企業も大きくなってきていました。そこで、従業員200人売上高300億円と今までにはないくらい結構大きな案件を紹介され、遂にここまでやってきたとかなり喜んでいました。
最初に食事に行って繋いでもらいました。第一印象は物腰柔らかめだが、死戦をくぐり抜けて来た歴戦の風格があるような眼差しとオーラがありました。お酒の力もあってか話も弾み、見事その場で受注することができました。
ヒアリング当日の日も決まり、いざ当日。
まあ、かなりボロボロでした。
「結局それって何人集客できて、どのくらい売上が増えるの?競合はどんなことしてて、業界のパイをどのくらい獲得できそう?コンサルもやってくれるの?いつどのタイミングでどのくらい売上を獲得できそう?目標ROASは?」話す内容が上位レイヤーのことばかりで、とてもついていくのが難しかったです。
クライアントの期待値も高く、自分も何とかできるやつだという認識をされたいと思い、頑張って返答しましたが、3回くらい深ぼられると抽象的になってしまう。というので、社長から「本当に大丈夫?あなたに仕事を頼むことでどのくらいうちの売上が増えるかくらいしっかり準備しておいてよ」と言われ、自尊心がズタボロでした。
その日は、あまり話が進まず時間が来てしまい、途中で終わってしまいました。
その後、これからどうしようと思い悩んでいたところ、翌日電話がきて「やっぱり、君に頼むよ。まだ若いし、この経験を糧にして頑張ってみたら」とありがたいお言葉をもらい、再度ヒアリングすることになりました。
徹底的に準備しました。
自分の作業フローがクライアントの売上拡大にどう繋がっているのか、見直し、戦略-戦術-施策-効果のフレームワークで全て一直線でつながるように設計も構築し直しました。
再度ヒアリングの当日には見事うまくいき、案件が進みました。
無事納品することもでき、制作案件とWebマーケの顧問として業務委託契約を結ぶことにもなりました。
※このエピソードはリクエストがあれば、エピソードのみに特化した記事を作ります(笑)
やはり、自分の仕事は成果物を納品するだけではなく、クライアントの売上をいくら伸ばせるのかを徹底的に考えること、それも動作単位で。
それには、究極の気づかいも同時に必要です。
かゆいところまで手が届くように。でなければ、大きな案件は一生獲得できません。
ここでの教訓
・動作単位で売上にどう繋がっているか考える
・クライアントの視座に合わせた話をする
・プライドは持っても過信はしすぎない
大きな成功をつかむには


自分でいうのも何ですが、WEB制作においては成功をしていると思っています。
次元の違うクライアントを相手にしたことで、かなり思考の深さが磨かれました。
クライアントがWeb制作に求めること、それは売上拡大です。
そんな大層なこと…と捉える人もいるかもしれませんが、そう思ったなら残念ながらtoBクライアントワークは一生できません。底辺のままでいていいと思います。
それが嫌だから、そうはなりたくないから、この記事をここまで読み進めているのではないのですか?
逆に、クライアントが売上拡大まで求めていなかったら、教育してあげましょう。
あなたは何に対してお金を払って発注しているのですか?何を求めているのですか?
Web制作はこんなメリットがあって、貴社にこのくらいの売上インパクトをもたらす可能性がありますと。
僕はここまでくるのに3年かかりました。
全ては売上拡大のために、それも動作単位で。
すぐに使える具体的な実践術
急にお題が変わりますが、すぐに使える実践術を伝授します。
僕がかなり使っているものを紹介します。僕が実際に使用している管理シート等もたくさん添付したので、ぜひ活用されてみてください!
タスク渡し術


クライアントでも下請けにでも作業を依頼する際は、この内容で通じるかなと思う時もありますよね。
そんな時はこれを使うと誰が見ても分かります。
【相談概要】
【目指したいゴール】
【やってもらいたいこと】
【その作業の手順】
【その作業の必要性】
【期日】
【推定作業時間】
【参考URL】
場合によってはキャプチャも使いましょう。
どんどんコピペして使っちゃってください!
コミュニケーションを可視化する


特に打ち合わせやMTGの時に何かうまく伝わらないなと思う時ありませんか?
そんな時はスプレッドシートを使うといいですね。
世の中の大半のことは、目標・課題・現状・改善策に当てはめればコミュニケーションで齟齬は起きないです。



僕が使ってるものを共有するのでぜひ使ってみてください!
現状と進捗を可視化して共有する


制作案件だと、特にどんなふうに案件を進めていけばいいんだろうと思ったことはないですか?
そんな時はガントチャートを使いましょう。
ステータスと日付のマトリックスをうまく使うのがコツですね。



僕がいつも使ってるものをシェアします!
3C分析


クライアントの事業の解像度を上げるにはまずどんなことをすればいいの?抜け漏れなくするにはどうしたらいい?という方も多いと思います。
そんな時は3C分析のフレームワークを使うといいです。



案件ごとに繰り返し使った最終形態が下記になります!ぜひ、使ってみてください!
toCで使えるのか?


そもそもtoCとは、消費者向け(to Consumer)ビジネス全般を指します。
その上で、 toBクライアントワークはtoCでは使えないの?と疑問に思っていませんか?



結論、あまり効果的ではないのでおすすめはしません。
なぜなら、toBクライアントワークでは、以下のことが求められ、
・ミスしない、期日を厳守するなど安定性が必要
・検証と改善を繰り返し中長期的に安定して結果を出すことが必要
一方、toCでは以下のことが求められるというように、相違点があるためです。
・その瞬間の衝動を昂らせるなど最大瞬間風速が必要
・短期的に効果があらわれることが必要
もちろん、全て当てはまるわけではありません。
一部該当しない部分はあります。
例えば、レジのスーパーで買い物するときに、おいしさや安さで商品を選択することが多くありませんか?
スマートフォンのカバーを購入する時、自分好みのデザイン性を重視して購入することが多くありませんか?
このシチュエーションでtoBクライアントワークをされたらどうでしょうか?
スーパーで商品を購入するだけなのにその商品のメリットとデメリット、購入した後の効果などについて15分商談されるなんてことされたくありませんよね?
もちろん、それが50万円もする高単価商品なら話は変わってくるかもしれませんが、世間一般的な日常に当てはめるならあまり効果的でないことが分かります。
一方、toCはクライアントワークをされたらどうでしょうか?
お昼頃にスーパーのレジで端的におすすめ商品の提案をされたり、試食コーナーで元気よく新商品をアピールされたりするとついつい買いたくなってしまいませんか?
このようにtoBでは長期間の勝負になる一方で、toCでは短時間の勝負になることがわかります。そのため、toBのクライアントワークはtoCに通じにくいのです。
これからの生き残り戦術





個人的にこんなブランディングがいいんじゃないのかなと思います。
クライアントの右腕になる。
クライアント企業の大きさは関係ありません。
たとえ、その社長に右腕がいてもあなたがその席を勝ち取る勢いで右腕になりましょう。
売上拡大に貢献してくれる、具体的なアドバイスを論理的に丁寧に答えてくれる、浮き沈みがなく安定したメンタルで、安定した成果を出してくれる。そんなイメージです。
最初はただWeb制作してくれる人という認識をされていてもいいです。ゆっくり時間をかけて、よき理解者、よき相談者になっていきましょう。
どうしたら、売上拡大に貢献できるか。経営戦略のレイヤーまで自分の考えを組み込むことを常に考えて、伝えるといいです。



ただの作業者にならないことだけは注意してください。
最後に





ここまで読んでくださり、お疲れさまでした。
今回の記事は、従来の記事より情報量を増やしたプレミアム記事です。
読み返したい人は振り返りに使ってください
また現在、制作会社化を目指しており一緒に働いてくれる方を募集予定です。
そのため、新規の方にも再現性を持って教えていけるノウハウを僕自身が積むため、一緒に働ける方を探すため無料の相談を実施予定です。
今回の記事でも書ききれなかったWeb制作のクライアントワークの具体的な方法や、今のスキルレベルを客観的に評価してほしいなどのご相談にもお答えしていますので、ぜひお気軽にご相談ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。