こんにちは、らいちです。
僕はフリーランスとして活動を始めてから、日々取り組むべきタスクや納品までのスケジュール管理にさまざまなツールを使用しています。
使い始めたきっかけは、フリーランスとして最初に受けたWeb制作案件です。
とにかくがむしゃらに頑張って、なんとか納品にこぎつけました。
でも、終わったあとに残ったのは達成感ではなく、「もう二度とやりたくない…」という疲労感でした。
全部、自分が“流れ”を作れていなかったからだと後から気づきました。
それ以来、僕は案件ごとに「作業フローを仕組み化」し、「ツールを組み合わせて効率化」することを意識し始めました。
するとどうでしょう。
・やるべきことが見える
・次の作業に迷わない
・依頼者対応にも余裕ができる
ようやく、「Web制作って楽しいかも」と思えるようになりました。

そのおかげで、日々の仕事が効率化され時短にもつながりました!
今回は僕の実体験を交えつつ、Web制作フリーランスが取り組むべき作業フローのおさらいと各フローでおすすめなツールを紹介していきます。
「今まさに案件を進めていて、ちょっと不安…」という方に、少しでも参考になれば嬉しいです。
なぜ「作業フロー」と「ツール選び」が案件の成否を左右するのか?


フリーランスになったばかりの頃、僕は「実装スキルさえあればなんとかなる」と思っていました。
HTML/CSS、WordPress、jQuery…と、技術的なことをひたすら勉強して、案件が取れるようになったら、自然と仕事も回るようになるだろうと。
でも、現実はそんなに甘くありませんでした。
技術だけでは“信頼”は得られない
これらの原因は、スキルではなく「進め方」にあったんです。
作業フローがないと、すべてが“その場対応”になる
例えば、初回ヒアリング。
質問すべきことを事前にまとめておかずに話を聞いた結果、「あれも聞いておけばよかった」と後から後悔。
スケジュールも立てずに始めてしまい、最後の週に焦って徹夜で対応。
納品はできても、「この進め方、絶対に続けられない」と思いました。
ツールは“補助輪”ではなく“武器”になる
その反省から、僕は案件のたびに以下を整えるようになりました。
・作業フローをざっくり決めてから着手する
・ツールを組み合わせて、「自分なりの進め方」を作る
具体的には、Googleフォームでヒアリングシートを作ったり、Notionで進行管理をまとめたり。
初めは面倒でしたが、慣れてくると「頭の中が整理された状態で仕事ができる」ようになったんです。



今でも、もっと時短や効率化できないか日々試行中です!
Web制作の作業フロー紹介


それでは、ここからWeb制作の作業フローを簡単に説明します。
ヒアリング、要件定義
【ヒアリング】
ヒアリングでは、依頼者と直接、もしくはWeb上で対面し依頼したい内容についての詳細や条件を聞くフローになります。依頼者のニーズを的確に把握、引き出すことが重要です。細かい部分までしっかりヒアリングしないと、認識が噛み合わず作り直しや依頼のキャンセルに繋がってしまいます。



事前に聞き出すことを整理してヒアリングに望みましょう!
以下の記事も、ぜひ参考にしてください
ヒアリングから納品まで!Web制作の現場で役立つクライアント対応術【実例付き】
- 依頼背景、概要
- サイト構成
- システム、技術要件
- インフラ要件
- セキュリティ要件
- リリース要件
- 運用保守
ある案件で、依頼者から「すごく丁寧に聞いてもらえて安心しました」と言われたことがありました。
そのとき僕は、「まだ何も作ってないのに、信頼って生まれるんだな」と驚いたんです。
ヒアリングは、“クオリティの高い制作”だけでなく“信頼される関係”を築くための第一歩だと今では実感しています。
【要件定義】
ヒアリングした内容を整理し、制作に必要な情報を定義していきます。
大まかな流れとしては、
ターゲットと目的の明確化→調査と現状分析→コンセプトの決定、の順に進めます。
要件定義に着手すると後戻りはできない為、ヒアリングの内容はしっかり整理しておきましょう。
デザイン制作
要件定義が終了したら、次からは実際に依頼物を制作していきます。
最初のデザイン制作フローでは、閲覧者が読みやすい、依頼内容に合わせたデザイン、PCやスマホなどの利用環境を意識して作業することが大切です。
- デザインイメージを決める
- ページ構成を決める
- トップページ原稿制作
- トップページデザイン制作
- トップページコーディング
- 下層ページデザイン制作
- 下層ページコーディング・最終チェック
コーディング、バージョン管理
制作したデザインをもとに、プログラミングエディタでコーディングしていきます。
コーディングする際に、SEO対策(検索エンジンで上位に表示させるような手法)をするとより効果的です。



そのためには、タグの設定や無駄のないコードを記述することが重要になります。
また、コーディング作業と並行してバージョン管理も実施します。機能の追加や変更についての履歴を管理することで、バグの修正や後からの確認が容易になります。
他にも、履歴が残っていることで過去の作業を振り返ることもできるため、今後の作業につながります。
テスト・検証
制作物やデザインが完成したらテストと検証をしていきます。
具体的には、表示のずれや文字化けが起きていないか、想定通りサイト上で動作するかなどを確認します。
PCやスマートフォンなどの画面サイズが異なる環境で検証することも忘れずに実施しましょう。
Webサイト制作の場合、個人と依頼者側の環境が異なる為、実際に運用開始すると予期せぬ不具合が見られることもあります。もし可能であれば、依頼者側で利用しているサーバや環境でテストが実施できると影響は少ないです。
納品
事前に依頼者側と合意した方法で、完成した制作物を納品する段階です。
制作物の送付だけで済むこともあれば、Webサイトの公開まで請け負う依頼などさまざまです。
また、納品する際のツールも事前に打ち合わせが必要です。



他にも、納品する際のセキュリティ対策には注意を払いましょう。
請求書発行
納品が完了したら、依頼に対する請求書を送付しましょう。
納品後に作成するのではなく、事前に作成しておくとすぐに対応できます。
フリーランスとして活動していくのであれば、請求書作成に加えて確定申告も見据えた明細管理を意識することが大切です。
保守・アフターフォロー
納品して作業完了ではなく、一定期間は保守やアフターフォローが必要です。
なぜなら、依頼者が実際に使用して操作に慣れてもらうことと、その期間で想定していない問題が発生する可能性もあるためです。
このフローでも、事前に保守期間やメンテナンス内容について定めておくことが重要です。



修正は3回まで可能です、など具体的な内容を契約段階で決めておきましょう。
各作業フローのおすすめツール


ここまで紹介した各作業フローで、僕が実際に使用しているツールとおすすめの理由を紹介していきます。



どれも便利なツールなので是非試してみてください!
ヒアリング:GoogleMeet、Zoom
ヒアリングでは主に2つのツールを使い分けています。
GoogleMeet
まずは「GoogleMeet」です。
Googleアカウント1つで手軽に始めることでき、GoogleカレンダーやGmailといった他のGoogle製品とも連携できる点が魅力です。
また、画面共有機能や1時間無料でWeb会議が実施できること、Webブラウザからいつでもどこでも会議が可能という点も、普段使いにおすすめできる理由です。
Zoom


もう一つが「Zoom」になります。
無料版では40分会議が可能とGoogleMeetより時間が短いですが、録画機能が標準搭載されています。
後から会議を見返したいときなどに利用できるため、こちらのツールもおすすめです。



ヒアリングでは、依頼者が利用しやすい、または普段利用しているツールを選ぶと親切です。
要件定義:Notion


要件定義で使用しているのは、「Notion」という多機能ドキュメントツールになります。
メモは勿論、タスク管理やカレンダー、データベース機能もありこのツール一つでWeb作業がほぼすべて管理できる優れものです。
チームでの作業も、共有機能があるため管理が容易です。
デザイン制作:Figma、Zeplin
Figma


デザイン制作では「Figma」を使っています。
ブラウザ上でも使用できるこのツールですが、ワイヤーフレーム作成機能を使用するとWebサイトは勿論、アプリなどの画面サイズに合わせて作成することができます。



少しカスタムすることで、テンプレートに無い画面サイズも作れるなど、さまざまな利用環境に対応できます。
また、制作物の自動保存機能や共同編集も可能なため、チームでの作業もおすすめです。
Zeplin


「Zeplin」は、本来デザインデータをチームメンバーに共有するためのツールですが、個人利用でも十分効率UPにつながります。
最大の特徴は、Figmaなどのデザインツールと連携することで、作成したデザインデータからコーディングに必要なCSS情報を確認することができる点です。
一からCSSを作成する必要が無くなるため、大幅な時短につながります。
他にも便利な機能として、更新履歴にコメントを付け加えることができるため、作業の振り返りに利用できます。
コーディング:VScode、Emmet、Live Server


VScode(Visual Studio code)
コーディング作業では、Microsoft社が開発した「Visual Studio Code」(以下VScode)を使用しています。
多くのプログラミング言語にも対応しているプログラミングエディタで、無料で使用できることが特徴です。
また、拡張機能が豊富で好みに合わせてカスタマイズできることも魅力のひとつです。
Emmet
ここからはVScode上で使用でき、かつ時短につながる拡張機能を2つ紹介します。
まずは「Emmet(エメット)」です。
これはテキストエディタ用の拡張機能で、タグの短縮記法が可能になります。
例えば囲った部分をブロックとして認識する「<div>」タグを記述する場合、通常は終了タグまですべてを記述する必要があります。
しかし、Emmetをインストールしていることで、「div+Tabキー」入力で<div>タグを生成できます。
他にも、「ul>li*3」でリンクタグを3つ作成、「!」でHTML宣言文作成なども可能なため、作業時間の短縮になりおすすめです!



VScodeの設定から、「Trigger Expansion On Tab」にチェックを入れて適用すると使用できます!
Live Server


使用しているPCにローカルサーバーを立ち上げてWebページをブラウザに表示させる機能です。
この機能があることで、HTMLやCSSの表示や動作を即座に確認することができます。
通常はテキストエディタ上で編集して保存し、その後Webブラウザで確認する作業が必要です。
しかし「Live Server」機能があることで、編集したコーディングを保存するだけでブラウザに反映されるため、別ページへの遷移が必要無くなります。



更新や表示作業一つは大したこと無いですが、作業の積み重ねで大きな時短に繋がります!
バージョン管理:GitHub、Sourcetree
GitHub
「GitHub」は、世界中の人々が個人の作品を保存・公開できるサービスです。
「Git」と呼ばれるソースコードの変更履歴を記録できるバージョン管理ツールから制作され、クラウド上で保存されます。
自分以外閲覧できない設定も可能なため、制作物のバージョン管理をしつつ、他の人の作品を参考にすることも可能な点が魅力です。
Sourcetree


Git上の操作を視覚的にできるアプリケーションです。
GitはLinuxのソースコードで動かす前提のため、ターミナルなどを使用したコマンド操作が求められます。
そのため、初心者にとっては難しい操作が求められるため、このツールを用いることで、WindowsやMacのようにマウスなどで視覚的な操作が可能になります。
テスト:Chrome DevTools


制作した作品に対して、デバッグに必要なデザインの確認、スマホで閲覧した場合の表示、エラーや警告の確認といった必要な機能がブラウザ上で手軽に確認できるツールです。
HTML/CSSの視覚的な表示、JavaScriptのエラーやデバッグ情報を表示する機能、ページのリクエストとレスポンスをモニタリングする機能など多くの検証機能が搭載されています。



他にも、MicrosoftEdgeやSafariにも同様の検証ツールがあり各ブラウザごとに検証できます。
検証:Responsively App


このツールは、制作したWebサイトの動作や画面スクロールといったレスポンスを確認することができます。
特徴としては、一つの画面で各デバイス(PC、スマホ、タブレットなど)の画面を同時表示してくれるため、確認作業の時短につながります。
納品:Chatwork
スマホでも利用できるビジネス用に特化したチャットツールです。
操作しやすいシンプルなデザインが特徴で、中小や零細企業で多くの導入実績もあるため依頼者も使用していることが多いです。
タスク管理機能が充実しており、特に各チャットにある概要欄にリンクを記載することで、チャットを遡ることなく管理することが可能です。



納品に関しては、依頼者側の使用ツールや指定があるかもしれないので、事前に依頼者と調整することがおすすめです。
請求書発行:Misoca


請求書作成で利用するのは「Misoca」というツールです。
請求書のテンプレートが豊富で、現在の請求ステータスが見やすいなどシンプルなデザインで操作しやすいことが特徴です。
他にも、見積書や納品書などをワンクリックで変換可能であったり、アプリ(iOS/android対応)から作成することも可能なため、外出先や出張先でも対応できることもおすすめの理由です。
弥生(Misoca制作会社)の会計ソフトや他の会計・申告ソフトと連携することができるため、経理業務や決算書作成、確定申告までも対応することができます。
アフターフォロー:Google カレンダー


ヒアリングフローでも紹介した「GoogleMeet」と同じように、Googleアカウント一つで手軽に利用できるため依頼者側にもおすすめできるツールです。
また、要件定義フローで紹介した「Notion」とも連携可能なため、依頼者だけでなく自分自身の予定もすぐに把握することが可能です。
注意点


ここまで多くのツールを紹介してきましたが、使用する上での注意点を2つお伝えします。
①使用ツールは柔軟に使い分ける
自分だけ使用するツールなら問題ないのですが、依頼者とやり取りをするツールは使い分けましょう。
何故なら、依頼者が普段使用していないツールを選んでしまうと、依頼者側も準備や操作に時間をかけてしまいます。
信頼関係を築くためにも、こちら側から譲歩していくことも大切になります。
②ツールの導入もほどほどに
ここまで紹介したツールは、どれもWeb制作をする上で効果的なものです。
しかし、あくまで目的はミスの防止、時短、依頼者との信頼構築であるため、むやみやたらにツールを増やさないことが重要です。
利用するツールが膨大になると管理が煩雑になり、かえってミスが増え、それに伴うトラブル対応等の追加作業発生や依頼者からのクレームにつながりかねません。
そのため、目的を照らし合わせてから、導入するべきツールを見極めるといいでしょう。



僕も活動していく上で徐々に紹介したツールに出会ったので、少しずつ試して行きましょう!
終わりに


フリーランスとして活動するうえで、依頼者との信頼関係構築は最重要事項です。
ヒアリングからアフターフォローまで、どこかのフローでタスクや期日管理に抜け漏れがあると関係に綻びが生じてしまいます。
そのような事態にならないためにも、今回の記事で紹介したツールを試して、どんどん時短と作業効率UPにつなげてください!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。